「小さな農業」で地域が豊かに~石川県能美市・羽咋市/東京都青梅市~
「小さな農業」「半農半X」「オンライン×農業」など、農業にはまだまだ新しいビジネスモデルが眠っている。
「NHK地域づくりアーカイブス」にて、
「クローズアップ現代+」の
「見直される“小さな農業”」
(2020年10月28日放送)を見た。
小さな畑で、農薬や化学肥料を使わない野菜を作る。
それを、SNSや近隣のネットワークを通じて、消費者に届ける。
そんな「小さな農業」。
「少量多品種なのでリスクを回避できる」「知恵を販売できる」「素早い方向転換が可能」といった強みがあるという。
たとえば、年間売上1200万円で所得600万円と、そこそこいい感じのサラリーマン年収を稼ぐ農家も。
その秘密は、ダイレクトに消費者に販売することで、流通コストを大幅に削減しているから。
そうすることで、消費者も安くて品質の高い野菜が手に入る。
(そうそう、スーパーとかじゃなくて、直接買えないかな~とか思うよね)
さらに、オンラインで有料の「ぬか漬け教室」も開催。
これによって販路も拡大できる。
「農家の知恵も商品になり得る」という発想は、マーケティング感覚とかがないとなかなか出てこないかもしれない。
その意味で、「この道ひとすじ農家一本」の人より、サラリーマンでもなんでも前職がある人は強い。
「農業とネットは相性がとてもいい」「パソコンは農機具の一つ」っていう感覚は、ちょっと驚き。
簡単にトライアンドエラーできるのも強み。
出して引っ込める、ちょっとやってみて反応をみる。
そんな小回りの効く経営ができるのも、「小さな農業」の強みといえる。
さらに、消費者が農家と一緒に地域の農業を育てる仕組みである、「地域支援型農業」(CSA)も。
CSAは、利用者が農家に半年分の費用(3万円)を払ったうえで、2週間に一度、農家の野菜を取りに来る仕組み。
このシステムで、農家は事前に収入が入るので、経営が安定しやすいという。
利用者は、新鮮な野菜を定期的に買い入れることができる。
そこで農家の人と話しながら、今日の献立を考える人もいる。
(スーパーとかだと、予め献立を考えてから野菜を選ぶものだけど、逆もあるのかぁ)
農薬や肥料を使わない、自然栽培を教える「のと里山農業塾」。
そこでは、農業を始めたあとの支援も充実している。
自然栽培で作ったお米のすべてをJAが買い取り、その一部をふるさと納税の返礼品に回しているとか。
道の駅も新設して、販路も確保している。
そういう自然栽培に魅力を感じた一流シェフが、移住して農業を始め、そこで採れた新鮮な野菜を使ってレストランを経営。
これがまた、県外からも人を呼び込むほどの人気。
コロナで食の安全性に対する関心の高さも、こうした動きを加速させている。
農業と他の仕事を組み合わせて生計を立てる、「半農半X」の暮らしも最近話題。
自分の成果が目に見えるのは、どんな仕事でも嬉しいことだと思う。
農業なら、そのプロセスも含めて、はっきりと見える。
こうやって、小さく農業を始める若い世代がやってきて、耕作放棄地の問題を解消していくことにもつながっている。
教育の一貫として何か企画できたらなあ。