読書記録

『賢さをつくる 頭はよくなる。よくなりたければ。』を読んで

来年度からゼミをもつにあたり、学生の思考力を伸ばすための勉強を始めた。

まずは、谷川 祐基著『賢さをつくる 頭はよくなる。よくなりたければ。』を読むことにした。

「頭のよさ」は鍛えられると思うから、タイトルに惹かれるものを感じた。

いわゆる「頭がいい」とは何なのか。

筆者によれば、それは「抽象(右)と具体(左)の往復運動が得意である」(p.59)ということ。

そして、「頭のよさ」の構成要素は、
・「具体」と「抽象」の距離が長い「具体化」と「抽象化」のスピードが速い「具体化」と「抽象化」の回数が多い
の3種類しかない(p.110)。

大抵の人は、「抽象」(右)or「具体」(左)のどちらかが得意で、どちらかが苦手。

だから、得意な方ばっかり使うんじゃなくて、苦手な方にも頭を働かせていく必要があるという。

なるほど、インテリほど抽象化が得意というが、抽象だけではだめで、抽象と具体を行き来できる人が、本当の意味で「頭がいい」ということになるのか。

その点は、初めて知ったというか、あまり他の本にも書かれていないので、新しさを感じた。

で、じゃあ、この「抽象」(右)or「具体」(左)の往復運動を得意にしていくには
どうしたらいいのか、っていうと、ひとことで言えば、それは「5W1H」を使うということ。

まず、「具体」(左)の思考が得意で、「抽象」(右)が苦手という人の場合、「思考を《右》に動かす魔法の言葉」は、
①「なぜ?」
②「要するに?」「つまり?」「まとめると?」
③「本当は?」
④「目的は?」
⑤「そもそも?」

の5つ。

注意点として、「なぜ?」っていうのは、他者に投げかけるとキツい表現になるので、対自分用の表現。

誰かに尋ねる際は、「目的は?」が推奨される。

逆に「抽象」(右)の思考が得意で、「具体」(左)が苦手な人の場合、「思考を《左》に動かす魔法の言葉」は、
①4W1H
→「いつ?」「どこで?」「だれが?」「なにを?」「どのように?/どれくらい?」
②「たとえば?」
③TPO(時と場合による)

の3つ。

筆者自身は、「抽象」(右)の思考が得意で、「具体」(左)が苦手ということなので、
後者の案にやや物足りなさ&実用性の難しさを感じるものの、
まずはこれらの言葉を意識して使ってみようと思う。

あと面白いと感じたのは、新卒採用で、「学歴と仕事の出来は関係ないけどやっぱり学歴は大事」の謎が、「右」「左」の観点から解明されているところ。

本書で紹介されている「階層構造」のフレームワークは…
正直、いちいち作るのめんどくさいなと思ってしまうというか、
実用書としては「う~ん」という印象だったけど、学びは多かった一冊。

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