ぬいぐるみの「里親」になって被災地とつながる
「NHK地域づくりアーカイブス」にて、
「あの日 わたしは~証言記録 東日本大震災~」の
「宮城県東松島市 武田文子さん」
(2018年9月25日放送)を見た。
宮城県東松島市でも、東日本大震災で2千人近くが亡くなったという。
自身も被災した武田文子さんは、仮設住宅で目標を見失った人たちに、「手仕事をやりましょう」と呼びかけた。
くつしたで作るサルのぬいぐるみ。
「東松島を忘れないで」というメッセージをこめて、「おのくん」の名で販売すると、全国的な人気になったそう。
しかも、販売して終わりじゃなくて、買ってくれた人たちを「里親」とすることで、「また戻ってくる」「つながりができる」という意味もある。
「おのくん」人形の「里親」になった人は、延べ10万人。
「里親」になった人は、SNS上で「おのくん」の現状を報告したり、東松山に「里帰り」したりしているという。
「里帰り」した「里親」たちが集まると、「おのくん」をお披露目しあって、どんな服を着せているのかなどで盛り上がる。
現在は、全国各地で「里親の会」が作られ、交流の場になっているそうな。
熊本など、他の被災地に住む「里親」を支援する取り組みも。
「ビジョン」をキャッチーで素朴なキャラクターで「象徴」すると、人は集まりやすく、つながりやすい。
ただ「被災地の応援」というと、ハードルが高く感じられるけど、
「おのくん」人形をもつことで「里親」になり、同じ「里親」同士の交流でもって、被災地に赴きやすくなる。
「被災地のために何かしたいけど…」と歯がゆい思いをしている人たちにとっても、ある種の救いになっているのかも。
「おのくん」という象徴、シンボルを通じた被災地支援。
目標を見失った被災者のための手仕事であったり、「東松島を忘れないで」という思いから始まった活動が、結果的にこんな活動になるのね。