サステナブルなジーンズを世界へ発信~広島県・福島市/岡山県・倉敷市~
ヨーロッパでは、デニム業界が「水を汚す」「環境を破壊する」という噂があるそう。
実際、資源の大量使用・大量廃棄汚染物質を出すなど、「世界第2位の環境汚染産業」と指摘されるファッション産業。
「ジーンズの町」として知られてきた中国地方のメーカーも、サステイナブルな生産に取り組んでいるらしい。
綿を紡いでつくる糸には、どうしても汚れやかすが付着する。
したがって、前洗浄が非常に大事なんだとか。
大量のお湯と洗剤を使用することになるわけで、廃棄する石油の量も尋常じゃない。
そこで、新しい洗浄方法を開発。
これにより、洗剤をほとんど使わず、石油の量は6割も減らすことができたそう。
電解水によって常温で洗う。
この発想自体も、素人ながら素晴らしいなと思うけれど、ここに至るまでは大きな苦労があったみたい。
笑われたり、なかなか信じてもらえなかったりするなかで、それでも、「化学薬品まみれの糸にしていいのか」という問題意識は強くあったそう。
そんななか、イタリアでおこなわれた生地の見本市で、普通の生地は見向きもされず、「サステイナブルな生地」への関心の強さを目の当たりにした。
それが徐々に、日本のアパレル業界でも「エコ染色」が求められるようになってきた。
この福山市の染色工場だけでなく、洗い加工を行う倉敷市児島地区の工場でも、
大量の資源や化学薬品を使っていた従来のやり方を見直し、
環境への負荷が少ない新技術を導入しているそう。
特に、軽石で”あたり”をつけて、”ユーズド感”を出していく、「ストーンウォッシュ」と呼ばれる加工法に問題があるらしい。
一回使ってだけで、だいぶ摩耗する軽石。それを排水で流して、また新しい石を追加するそう。
そこで、ナノミストという霧で加工できる機械を導入。
霧に薬品を混ぜて浴びせかけ、僅かな水と、ジーンズ同士の摩擦だけで色を落としていくことができる。
この結果、軽石は必要なくなり、水と薬品の使用量も最大で7割も削減できたんだとか!
ちゃんと陰影もくっきり出ていて、クオリティが高い。
日本人の「きめ細やかさ」がサステイナブルと融合できたら最高と語る石橋さん。
というわけで今回は、
「NHK地域づくりアーカイブス」にて、
「ラウンドちゅうごく」の
「サステナ旋風でファッションが変わる」
(2021年2月19日放送)のお話。
「当たり前」を疑い、「要は何ができればいいのか」という明確なゴール設定が、新たな選択肢を生む。