研究ノート

シティプロモーション

たくさんの自治体が、
あらゆるかたちでシティプロモーションをかけている。

定義は決まってはいないけれど、
牧瀬(2021)によれば、
それは「都市・地域の売り込み」なんだそう。

ざっくりとした定義ではあるけれど、
決まったかたちはないので、
成功しないケースが多々あるという。

その理由は、牧瀬(2021)によれば
①マーケティングの4Pを理解していない
②マーケティングの4Pの前に必要なステップを踏んでいない

の2点が考えられるらしい。

まず「①マーケティングの4Pを理解していない」について。
そもそもマーケティングの4Pとは何ぞ。

マーケティング戦略を考えるうえで、
最も基本的な枠組みのこと。

シティプロモーションが失敗する原因の多くは、
このうち③Promotionにしか取り組んでいないことにある。

たしかに、
①Product、②Price、④Placeをロクに考えずに、
プロモーションばっかりかけているイメージが強い。

言われてみると、ちょっと恐ろしいな…

このマーケティングの4Pという発想を
牧瀬(2021)が自治体に置き換えたものがコチラ。

で、多くの自治体の落とし穴として、
この④のプロモーションばっかりプッシュしているという。

次に「②マーケティングの4Pの前に必要なステップを踏んでいない」について。

ただマーケティングの4Pを実践すりゃあいいというものでもなく、
その前のステップをちゃんと踏まなきゃいけない。

まずは①ターゲット層を大まかに設定して、
②ターゲット層を明確に絞り込む。

それから③ターゲットとなる具体的な顧客と地域を設定して、
④メイン・ターゲットに自治体の魅力を知ってもらう活動を立案してから、
やっと⑤マーケティングの4Pに入ると。

民間を経験した人には、
市場を分析して、ターゲットを絞り込むというのは
ごく当たり前の発想かもしれないけど、
当たり前のことが一番重要で、
難しいことだったりするのかもしれない。

参考文献:牧瀬稔(2021)『地域づくりのヒント 地域創生を進めるためのガイドブック』社会情報大学院大学出版部

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