モチベーションを上げる脳内物質
「大学の講義は将来役に立たない」と言われます。
それ故に、「講義は卒業するための単位稼ぎ」としか考えられず、
モチベーションが保てない学生も多いことでしょう。
ここは発想を変えて、「講義内容を将来に活かすのではなく、
仕事に活かせるような学びの姿勢を鍛える」ことを考えてみましょう。
学生にとって、ただ「こなすだけ」「参加するだけ」の講義時間が、
脳みそアップデートの時間となり、より充実した大学生活となるためにはどうしたらよいでしょうか。
キーワードは「脳内物質」です。
樺沢紫苑先生の『脳を最適化すれば能力が2倍になる』から、
脳内物質を活かすコツを紹介します。
モチベーションを上げる脳内物質「ドーパミン」
聞いたことくらいはあると思います。
このドーパミンが脳のワーキングメモリ(作業記憶)、
すなわち「脳の作業スペース」と深く関わっているそうです。
つまり、ドーパミンが分泌されると、情報処理能力や注意・集中力、計画性も上がるということです。
さらに、学習・記憶にもプラスの働きがあるようなんですね。
苦行に等しい講義でドーパミンの効果に頼ることができれば、
成績アップはもちろん、効率的に学んで時間に余裕ができるので、
学生生活をもっとエンジョイできますね。
さらに、情報処理能力、注意・集中力、計画性もアップするので、
「仕事のできる社会人」に近づくこともできるというわけです。
それだけではありません。
ドーパミンが分泌されると、人はワクワクし、モチベーションも上がるのです。
同じような毎日の繰り返しで、何もかもがめんどくさくなっちゃってる学生にとって、
これは朗報といえるのではないでしょうか?
では、どうすればドーパミンを分泌させることができるのか。
樺沢先生によれば、次の7つのステップとなります。
①明確な「目標」を設定する
ドーパミンは、「目標を設定したとき」と「目標を達成したとき」の2回出るそうです。
旅行とかもそうですよね。
「◯◯に行こう!」と決まって旅程を考えているとき、すごくワクワクしませんか?
どんな観光スポットがあるのか、どんな名物料理があるのか調べて、
ルートを考えるだけで、実はドーパミンが出ています。
そして、実際の旅行中もワクワクしますよね。
だから、
目標を設定する
→ドーパミンが分泌される
→モチベーション高く「行動」する
→目標を達成する
→ドーパミンが分泌される
→その「行動」が快楽と認識され、「もっともっと」その「行動」を取りたくなる
→次の目標を設定する
…というサイクルを回しましょう。
これを「強化学習」というそうです。
この強化学習サイクルにはまれば、
「モチベーション高い&創意工夫したくなる」ゾーンに入り、自己成長が加速します。
逆に、「なんとなく同じような日々の繰り返しで、何かが起こるのを待っているだけ」では、
ドーパミンが分泌されることはありません。
そうは言ったものの、「”秀”を取る」みたいな目標じゃワクワクしないんだけど、
というのが皆さんの本音でしょう。
たしかに、普段から「”可”を取るのも精いっぱい」という人にとっては、ハードルが高すぎます。
壮大な目標はドーパミンを出しません。
ポイントは、「ちょい難」です。
ちょっと頑張れば手が届きそうなラインに目標を設定しましょう。
②「目標を達成した自分」をイメージする
目標を立てても、それがいまいちピンときてなかったり、
腹落ちしてなかったり、忘れちゃったりしたら意味がありません。
「目標を達成した自分とその状況」をありありとイメージすることで、
成功確率は段違いに変わります。
講義時間は集中して頭を働かせ、復習も素早く済ませ、
次の講義でもおおよその内容が思い出せる状態。
毎回の講義内容が頭に定着しているので、テスト対策・レポート執筆もスピーディーに完了。
成績表を見て、”秀”や”優”が並んでいる状態…。
③目標を繰り返し確認する
目標を立てたあと、1回や2回イメージするくらいじゃ効果はありません。
ドーパミンは長期間ずっと出るものではないので、補給する習慣が必要です。
目標を紙に書いて、机の前やトイレ・玄関の扉、スマホの待ち受けなどなど、
「いつでも目に入る状態」にしておきましょう。
文章で「2024年7月までに、計量経済学で秀を取ります」としてもよいし、
ビジュアル重視の人は、写真・画像を切り貼りして「ビジョンボード」を作ってもよいですね。
④楽しみながら実行する
これはなかなかハードルが高いです。
自分の性格から、楽しめる工夫ができないか考えてみましょう。
私からのアイディアとして、一つは「講義内容を自分ごとに置き換える」クセをつけるとよいです。
「この理論は自分の地元にも当てはまるのか?」「先生はこう言ってるけど、本当か?」と
ツッコミを入れながら講義に参加することで、脳みそフル回転できます。
もう一つは、「ゲーム感覚で終了時間を決める」とよいです。
授業の課題や復習も、イヤイヤ&ダラダラやってるとますます時間がかかり、
どんどんストレスがたまります。
そうではなくて、「この課題は10分で終わらせる!」と決めたうえで、
時間を計りながら取り組むのです。
そうすると不思議なことに、あっという間に終わります。
さらに、設定した時間より速く終わると「よし!」とドーパミンが出て、テンションが上がります。
嘘だと思って試してみてください。
⑤目標を達成したら、自分にご褒美を与える
これはそんなに説明はいらないでしょう。
ご褒美の例としては、旅行に行くとか、美味しいものを食べるとか、欲しかったものを買うとか。
私は、論文執筆など何か大きな仕事を終えたとき、真っ暗な部屋でお酒と美味しいものを用意して、
好きなアーティストのライブDVDを観て、世界観に浸ります。
⑥すぐに新しく「ちょい難の目標」を設定する
ここで、現状に満足して「もういいや」となるのはすごくもったいない。
せっかく出ていたドーパミンがもう分泌されなくなります。
そうすると、自己成長がないので現状維持すら難しくなります。
ドーパミンの強化学習サイクルを回しましょう。
⑦「目標達成のプロセス」を繰り返す
ここまでの①~⑥のプロセスを繰り返します。
ただこなすだけの講義時間も、あなたにとっての脳みそアップデートの時間となり、
より充実した大学生活となることでしょう。