住民の監視で火山と共生
自然はあくまで中立。そこに”ある”だけ。
それを資源とするか、ハンデにするかは、住民次第なのかもしれない。
「NHK地域づくりアーカイブス」にて、
「クローズアップ現代」の
「活発化する火山 “共生”への模索」
(2015年5月20日放送)を見た。
火山がある地域は、温泉などに恵まれる一方、時には大きな被害を受ける。
有珠山(うすざん)を抱える北海道では、観光と安全確保を両立するため、住民が積極的に関わっているという。
具体的には、自治体から認定を受けた住民が、「火山マイスター」として、観光客を案内しながら火山活動を監視。
「ガスの臭いがいつもより強いんじゃないか」といった異変があれば、自治体や専門家に報告。
たしかに、日常的に住民が観察することができれば、被害は最小限に収まる。
いざという時には観光客の避難を誘導するそうな。
過去に有珠山で噴火が起こった際、自治体は、噴火の2日前から1万人余りの住民を避難させるべく奮闘した。
そのときは、犠牲者を一人も出さずに済んだという。
これは、「過去の噴火前の地震と似ている」という住民の通報が決め手となった。
火山の異変をキャッチするには、監視観測の充実が不可欠なんだそう。
自治体や専門家のマンパワーでは限界があるから、住民の情報の重要性は増す。
「火山は恐ろしいし、ない方がよい」と悪者扱いするのではなく、地域と切り離せない火山と上手につきあうという意識。
これは、津波とか土砂災害にも通じるものがありそう。