体験し成長できる地域留学
「NHK地域づくりアーカイブス」にて、
「さんいんスペシャル」の
「地域留学 なぜ島根へ? ~地方だからできる“先進の教育”とは~」
(2019年7月12日放送)を見た。
島根県の津和野高校は、全校生徒180人の3分の1が県外からの地域留学生。
東京生まれ東京育ちで、自分と同じような価値観のなかで育ってきたけれど、将来のことを考えると、違う環境に身を置いたほうがいいんじゃないかと思う子もいるようで。
(これが本人の問題意識から芽生えた発想っていう。達観しているというか、将来が楽しみだなあ)
そういう子は少なくないと思うけど、ここに出てくる神林くんは、実際に行動に移せるのもすごいし、海外じゃなくて敢えて島根っていうのがまた。
縁もゆかりもない土地に我が子を送るっていうのは、親御さんとしても相当な挑戦であったことと思う。
大抵の場合、「やめときな」って言うんじゃなかろうか。
それでも、時代に応じて求められる能力やスキルは違うし、どんな時代でもやっていけるんだという自信をつけてほしいと語る、神林くんのお母さん。さすがです。
津和野高校では、少子化による統廃合の危機感から、「地域留学」を開始。
空き家を活用して、格安の下宿先を用意したり、放課後や休日の英語教育サポートも充実。
それだけじゃなくて、農家の人が先生になって、都会では絶対にできない体験をさせてくれる。
さらに、自らの関心に添って地域課題の解決に取り組む、マイ・プロジェクト活動もある。
自分でやりたいと思ったことを行動にうつしていく楽しさが伝わってくる。
中学時代の受け身な教育に不安を感じたのがきっかけとか。
そういう子の活動を支える大人も、すぐには答えを教えず、自分で答えを導き出せるように問いかけている。見習いたい。
自らの課題に対してどうしたらいいか自分なりに考え、現地に赴いて生産者に話を聞く。
そこではじめて分かること、見えるものが多く、学びにつながっていく。
そんな活動をサポートするのは、3人の高校魅力化コーディネーター。
地元の人とのコネクションを活かして、生徒の知りたいジャンルに詳しい人を紹介している。
逆に、地元の人から「こんな体験をしてほしい」という声があれば、やってみたい生徒を紹介してくれる。
町の住民と生徒たちをつなぐ存在。
こういった活動のなかで、県外出身の生徒と地元の人との交流も活発に。
一緒に夕飯を食べたり、もはや孫同然の間柄のようで、地域の人の生活に彩りが生まれている。
ニーズと場をつなぐコーディネーターの存在は、今後も重要性を増すだろうな。