研究テーマを見つける方法
日本の教育システム上、きっちり「将来こういう仕事がしたい!」と自分で決められる人は少ない。
大学受験が迫ってきてはじめて、「どの学部にしよう…」と悩み、
就職活動の時期になってはじめて、「自分は何がしたいか分からない…」と悩む。
同じように、所属ゼミや研究テーマを決める段階になってはじめて、「どうしよう…」となる人が多いのではないだろうか。
こればっかりは、先生や友達ではなく、あなた自身のなかにしか答えはないので、一人で思い悩むことになる。
でも自分ひとりの頭のなかで考えられることなんて、たかが知れているわけで。
そんなとき私は、「自分の心が引っかかるキーワード」を探して、論文タイトルを100コ集めるのをおすすめする。
具体的には、まず大学の図書館に行って、自分の専攻(ex. 経済学部であれば「経済」)ジャンルの書棚を探す。
そこで、本のタイトルをボーっと眺めながらウロウロする。
「ちょっと気になる」と思った本は、取り敢えず全部集める。
ひと通り本を集めたら、席について、それらの目次を見たり、パラパラ読みをする。
そのなかで、「ちょっと気になる」と思ったキーワードを紙に書き出していく。
家に帰ってから、それらのキーワードを検索にかけて学術論文を探す。
(「Cinii」や「Google Scholar」などが主流)
そこでまた、「ちょっと気になる」「自分もこんな研究やってみたい」と思った論文のタイトルを100コ書き出す(Word等にコピペでよい)。
このとき、「できるかどうか」や「自分の力量」は気にしないこと。
こうして論文タイトル100コを眺めてみて、特に「心が動く」「ワクワクする」ものに印をつける。
印がついた論文タイトルから、「自分は何がしたいのか」がうっすら見えてくるのではないだろうか。
それを思いつくかぎり書き出してみるといい。
箇条書きでも、長文でも、好きなように。
そこまで来たら、ゼミ選びの場合はそのまま判断材料になるだろうし、卒論のテーマであれば指導教員に相談する際の資料の下書きにもなる。
大学の先生だって、学生の意思のないことはさせたくない。
学生の「こうしたい」という希望を叶えるための手助けしかできない。
自分の心が動かないテーマでできるほど、研究は甘くはない。
だから、学生自身が自分の希望を言語化してくれないことには何も始まらないわけで。
できるできないは別にして、そういう希望をもってきてくれたら、あとは一緒に研究テーマのブラッシュアップをしてくれることでしょう。
なんで大学の図書館を出発点にしたのかといえば、それは学術用語に溢れているから。
たとえば、「地域の魅力」について興味関心があるとする。
それをいきなり検索しても、なかなか論文は探せないことと思う。
それは、「地域の魅力」という言葉が、あまり学術的ではないから。
「地域の魅力」に関心のある人が大学図書館に行ったなら、「ちょっと気になる」キーワードとして挙げるのは、「地域資源」とか「地場産業」とかになるだろうか。
言語化できていない、ふわっとした興味関心を、学術的な用語で浮かび上がらせるという効果が期待できる。
このように、自分の頭の”外側”から探していくアプローチを勧めたい。