自然が生み出す「本物の豊かさ」でまちづくり
東京から島根に引っ越してきた当初は、
自然のなかに住む「心の豊かさ」を感じていたものだけど、
今はすっかり慣れてきちゃった今日この頃。
今回は、「自然との共生」で築く「本当の豊かさ」について。
「コンビニもバスも電車もロクにないけど、自然だけはある」っていう地域でも、ちょっと勇気の出るお話。
「NHK地域づくりアーカイブス」にて、
「あさイチ」の
「命めぐる森を守る~宮崎県綾町」
(2019年10月17日放送)を見た。
冬でも葉が落ちないという、キラキラした葉っぱの照葉樹。
照葉樹林の面積日本一を誇るのが宮崎県綾町という。
林業の盛んな地域として、名前はよく聞いていた。
ここは、豊かな自然を大切にし、自然と「共生」している魅力的な地域とのこと。
多種多様な木の個性をそれぞれ活かしていて、木工品もバリエーション豊か。
農作物も、完全無農薬には「金」といったように、
独自の基準でラベルが付けられ、
「本物の味」が消費者に届くように、有機野菜にも力が入っている。
自然がもつ特性を活かしたり、自然そのものに刺激を受けたりすることで、
新たに作品を創り出す人々。
自然に逆らわない、むしろ自然を活かすようなかたちで、「自然との共生」が成立している。
まさに「本当の豊かさ」を追求した地域。
だからこそ年間100万人以上が訪れるんだな。
多くの地域は、外から人を呼び込もうとして、すぐに「観光」という発想に至るけど、
宮崎県綾町は、必ずしもそうではない気がする。
実際のところ、どうなんだろうか。
でも、「自然との共生」という、この地域のコンテンツは、
観光にも活かせるし、観光でなくても経済的基盤になるし、
住民の精神的豊かさにもつながる。
だから、景気動向に左右されやすい「観光一直線」よりも強いのはたしか。
一見なんの変哲もないもの、特に目新しいところもないもの。
そんなものに価値を見出す力が、田舎にこそ必要。
ということで今回は、一見なんもない地域でも、ちょっと勇気の出るお話。
私の住む島根も、ちゃんと人々が「守ってきた」んだなという印象の強い地域だけど、
さらにそこから「活かす」というステージまで上がるには、どうしたらいいんだろう。
みんな謙虚だから、「こんな何もないところで…」って言うけど、
まずその認識を改め、「ある」と思って探すところから始めるのもいいのかも。