観光客をひきつける離島の「民泊」体験
「NHK地域づくりアーカイブス」にて、
「明日へ 支えあおう」の
「漁業から町は生まれ変わる ~岩手・陸前高田広田町 Part2~」
(2012年9月23日放送)を見た。
交通は不便、目立った観光名所もない離島に観光客が押し寄せているという。
それは、長崎県の五島列島にある小値賀島。
島の暮らしを「そのまま」都会の人に体験してもらう「民泊」が、人気の秘密。
都会に住んでいては分からない、「本当の豊かさ」を知る機会を提供している。
おじいちゃんおばあちゃん家に行った感覚で、はしゃいでいる大学生。
これからどんどん過疎化が進むということは、おじいちゃんおばあちゃんも都心暮らし、
すなわち親の里帰りすらマイナーになってしまうかもしれないんだものね。
(私の世代ですら、父方の実家は東京だし)
へんに奇をてらったことをするでもなく、本当に島の日常をそのまま体感してもらおうっていう発想に、地域の誇りを感じる。
普通だったら、「こんな田舎暮らし、体験したい人なんかいるかねぇ」で終わっちゃうもの。
それが当たり前になっている人にとってはなおさら。
島の魅力にひかれて大阪から移住してきた男性が発案者というのも納得。
地元の人たちも、最初はやっぱり、「方言で大丈夫か」「食事は口に合うか」心配だったらしい。
魚嫌いの子どもを泊めることになった際、恐る恐るとれたての魚を出すと、その子はなんと全部平らげてしまったという。
(そうだ、食材の「鮮度」は、何より地方のアドバンテージじゃないか!)
徐々に、「普通」の生活を体験してもらうことの価値に気づき始めた住民。
民泊の輪が広がった結果、年間の売上は1億円以上にもなり、島の主要産業となったという。
島の暮らしに魅せられて、移住者は既に100人を超え、子どもや若者たちが島の雰囲気を明るくしている。
「田舎暮らしの日常」そのものが財産。
都会で育った人にとっては、「本当の豊かさ」を考える機会になる。
思えば私も、母方の実家の福島に行く夏は特別な思い出だったなあ。
方言や景色も含めて好きだし、最終居住地は東北もありかなと思うもの。