9月26日 石見神楽
10日ほど前に行った集中講義フィールドワーク実習のなかで、
三宮神社にて毎週行われる石見神楽を観に行った。
伝統芸能というと、静岡の
グランシップというところで、
学生はS席10,000円のところを
1,000円でチケットを買えたりしたので、
そのシステムを存分に使って観た
人形浄瑠璃文楽やら能以来だから…
およそ10年以来⁇
年月って恐ろしい…
そんな話はさておき、
伝統芸能に触れるのは大事だなと思いつつも、
ハードルが高いっていうか、
仮に「えいやっ」と乗り越えて
ちょっと観に行ったところで、
話の半分も分からなかったりして、
すごすごと帰ってくるオチが多いので、
自分から進んで観に行くモチベーションはそんなにない。
…ので、
「石見神楽」なるものが有名という土地に引っ越して
半年近く経っても、
「まあいつか…いつかね」で終わってた。
まさか仕事で来ることになるとは。
三宮神社というところで、
毎週土曜日に定期公演があるらしい。
20:00開演ということで、
毎日AM5:00起き~PM10:00就寝の私にはちとつらいスケジュール。
寝てしまわないか心配だった。
でも、能とか落語みたいに、
思わずうつらうつら…ってことにはならないタイプのショーだった。
まず太鼓が凄まじい。
神社内の小屋のなかで、
40~50人はみっしり観客で埋まるなか、
舞台の上手にいる人が、
ずっとドンドカドンドカしながら、
パワフルに唄っていた。
そのバチ捌きがなんかすごい。
「ドドン」と打ってから指を捻るように持ち替えて、
また「ドドン」と打って持ち替えて、
みたいな打ち方なのだけど、
バチが指に引っ付いてるように見える。
落とさないのかな…
当たり前だけど、結局一回も落とさずに、
終始余裕の面持ちで、
さすがでした。
↑背中には、
金の龍…ですかね?
↓天井にぶら下がってる赤・白・緑の紙にぶつかる勢いで、
もはや敢えて落としちゃうスタイルなんじゃないかと思える。
↑中央の袖から
なんか出てきた。
↑どうやらこっちの人は倒される側の悪役っぽい立ち位置で、ヤクザ感ある。
↑でもこの人、
なんで髪の毛がこんなに重力に逆らってるのか、
それが気になって仕方がない私。
ぶれちゃって見えにくいけど、
この黒髪、上にまっすぐピンとなってる。
↑で、無事倒したあと、太鼓の人が
「喜びの舞を舞いなさい」みたいなことを言って、
面を外し舞う姿。
これにて前半は終わり。
どうやら二本立てのようで、
次の演目のあらすじがアナウンスされる。
最初におおまかな話の流れを教えてくれるので、
初心者でもストーリーを追いやすい。
しかもシンプルなお話。
娘たちを次々と大蛇に嫁入りさせられた老夫婦。
いよいよこの娘も大蛇に捧げなければならないのかというときに、
「大蛇は酒好き」ということを知ったヒーロー的な人(うろ覚え)が、
美酒を大蛇に飲ませ、
酔った隙をついて退治してやろうと計画した…
みたいなお話。
物語のはじまりから、
ショッキングなシーン。
大蛇に嫁入りした姉が、
老夫婦の抵抗むなしく大蛇に喰われる。
↓大蛇登場。お姉さんロックオンされてます。
↓ものすごい嫌がりよう。
妙にリアルな演技で、
観ていてこっちが苦しくなる。
↓喰われた。丸呑み。
↓けしからん!
大蛇退治計画立案。
↓いざゆかん。
↓煙とともに、
中央の幕から再び大蛇登場。
↓え、多くない?さっき普通に一頭だったよね。
↓「危ないからこっちにいて」。
律儀にそれを待つ大蛇。
↑カオス。火花とか噴いてる。燃え移らないのかな。ちょっとけむいよ。
↑大蛇一頭につき黒子1人が入っていて、頭の部分を軸にしながら全体を動かしてるように見える。
なぜこんなにも長い大蛇が4頭もいて、絡まったりしないのか不思議。
↑とぐろ。
↑おめめもちゃんと光ってます。
↑酒だ~酒をよこせ~。奪い合い。
↑ごくごく。
↑この人なんか客席にすごい絡んでた。ファンサービス。
写ってないけど、ここに小さい子がいて、その子にすごい絡んでた。
他に最前列にいた子含め、全然泣かないし、むしろ興味津々である。
↑ぼっしゅう。
↑えい!
↑衣装に燃え移らないかヒヤヒヤしてしまう。
↑ああ、呑まれちゃった。
↑脱出!
↑おりゃあ。
↑熱そうだよなんか。
↑まずは一頭目、打ち取ったり!
↑二頭目~
↑で、なぜか姫様も参戦。巻き込まれちゃった。
↑うわ~ピンチ。でも三頭目も倒せたもよう。
↑最後がなかなかしぶとい。
↑そんななか、獲った首は前方へ。
↑なかなか引っ張る。
↑黒子さんがちょいちょい見えてしまう。
↑あ、呑まれた。
↑グサッ。でもまだ生きてる。
↑口に刀をぶっさし、なんとか倒せた。
↑わ~ぱちぱち~
↑で、また「喜びの舞を舞いなさい」とか言われて、クルクルしてる。
三半規管どうなってんの?ってくらいクルクルしてて、ぶれない体幹もすごいんだこれが。
↑大蛇の首が…客席に落っこってる。
他の大蛇が暴れてるときに落ちちゃった。
で、その前に座ってた女の子が触りにいってた。
私も触りたかった。
という感じで、予定では1時間のところ、なぜか1時間半の鑑賞となっていた。
終始、舞台上では激しい動き・展開が続いたので、
あっという間に感じられた。
これで入場料1,000円は安いなぁ。
東京だったらもっと高く設定できるんだろうけど、
これはきっと、地元の人に身近に感じてもらいたいといった配慮からくる価格設定なのかな。
地元の石見神楽の団体が複数あって、
オムニバス的?にやっているみたいだし。
ざっと計算しても採算取れないから、
ボランティアとか趣味でやってるってことかな。
実はこの日の同じ時間、
ちょっとだけ季節外れの花火大会が市内にあって、
多くの市民はそっちに流れていたにも関わらず、
客席は満員。
小さい子ども連れも多く、
見慣れている雰囲気(物怖じしないリアクションからなんとなく)だったので、
市民に愛され続けている伝統芸能なのだなと感じた。
(フィールドワーク主催の先生曰く、
「子どもにもよると思いますよ~
特に男の子は一度はハマるみたいです」とのこと)
浦安のネズミーランドとは違って、
残酷なストーリー、シーンも
ヘンに都合よく書き換えていないようだったので、
情操教育にもよさそうな感じ。
(比べちゃ失礼か)
そういや私も小さいころ、
ユネスコ村大恐竜探検館に親に連れて行ってもらって、
血なまぐさい獰猛な恐竜たちと毎週のように会っていた。
「将来は恐竜博士になる!」とか言ってたもんな~。
あれがあるから、今の私があるんだもんね。
(3歳にして「三葉虫」の化石を瞬時に答えたり、
恐竜図鑑を読んで「カンブリア紀」以降の年代を覚えたり、
研究熱心?オタク?な子どもだった)
石見神楽、島根っ子たちに
これからもずっと愛されますように。