とある大学教員のひとこと日常広場

将来やりたいことが分からない問題について

大学生の悩みの代表として、「将来やりたいことが分からない」というのがある。

もしゼミ生がそういう悩みを打ち明けてくれたなら、私はこう答える。

「面白そう」と思ったことを小さくはじめて、「全部戦略」を実行する。
そして自分の「快」「不快」に対して、忠実に生きる。

まず、「やりたいことが分からない」と悩んでいる人のゴールは、”「将来の夢」が明確にある状態”だとする。

この、”「将来の夢」が明確にある状態”っていうのは、その「夢の職業」に”就いていない”状態ということでもある。

つまり、その「夢の職業」が何なのか、イメージの域を出ていない場合がほとんどではないだろうか。

仮に、その仕事内容や将来性、適性、具体的な企業名・部署などが「字面」で分かっていたとしても、
「自分がその仕事に就いてみて、どんな化学反応が起こるのか」ということは、誰にも分からない。

重要なのは、「自分が実際にその職業に就き、その業務を実行することに喜びを感じられるか、成長できるか」ということではないだろうか。

だからこそ、インターンシップなるものがあるのかもしれないけど、それだけで足りるのか疑問ではある。

「夢の職業」を生業としている状態を経験して、はじめて分かることのほうが圧倒的に多いわけだから、就職しないうちからあれやこれや想像したって不毛である。

別に、「たったひとつの正解を選びなさい」なんて、誰も言っていない。

最初から天職をみつけようなんて、高望みはしないこと。

いまの自分に集中して、その都度、全力で取り組んでいけば、「行き着くべきところ」に行き着くはずでしょ。

とはいえ、大学受験、ゼミ・研究室選び、卒論テーマ選び、就職活動などなど、様々な局面で、唐突に、「あなたは何がしたい?」と問われるという問題が残っている。

その時点での行動の指針、「羅針盤」や「軸」のようなものがないと、ただやみくもに動くだけになってしまう。

その場合、「そのときのfavoriteでよろしい」というのが私の結論。

日常的に、就活とか関係なく、「自分は何がしたいのか」「こういうとき、自分は”快”なんだな」という自己洞察を習慣にしておけばよいだけのこと。

常に自分の本心に問いかけ、出てきた答えをストックしておく。

そのためには、「そのほうが無難」「○○さんがこう言ってたから」といった”打算”を捨てること。

そういう外側の条件は置いておいて、「本当は自分が何をしたいのか」を探る必要がある。

でも私たち、有名大学出身、大手企業に就職、年収○○万円の人がエラい、といった社会通念に、知らず知らず支配されていることも多い。

自分の希望が、自分のものであるのか、他人のものであるのか、それを見分けるのが難しいという問題に行き着く。

自分が腹の底から何を求めているのかなんて、そんなすぐに分かるはずもなし。

だから、日常的に、自分の「快」「不快」にアンテナを張って生きることで、精度を上げる

他人の価値観に身を委ねていないか、常に心のチェックが必要となる。

さらに言うと、自分の「快」「不快」のアンテナは、”想像”よりも”経験”の方が精度が高い

「なんか面白そう!」と思ってやってみたことが、案外そうでもなくて、

「めんどくさー」と嫌々やってみたら、思いの外、楽しかったり。

ちょっと囓ってみたときより、やれることを全部やってみたときの方が、「快」「不快」の答えはわかりやすい。

だから、本や経験者の語る、「こうしたほうがいいよ」というアドバイスを、すべて忠実に実行する(=全部戦略)のが理想。

以上から、TO DOとしては、

  1. 日常的にコンフォートゾーンを出る(いま、やりたいことが見つからないということは、いまより外側の領域に出る必要があるということ。でも、いきなり大きな挑戦をする必要はない)
  2. やれることは全部やってみる(全部戦略)
  3. その結果、自分の心に耳を傾け、自分なりの「快」「不快」をストックする(「それは本当にあなたの価値観か」)
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